おまけ【―あんはっぴー・ふぉっくす―】
その夜、おやすみ前の事。
「おやすみ〜おじちゃん」
「おやすみッス」
ヴァルが部屋に戻るのを見送ると、ジラスはあるモノにゆっくり目をやった。
机に放置されたリナとゼロスのぬいぐるみだ。
ヴァルが寝室に迷う事なく持って行ったのはガウリイのぬいぐるみ。他2体はきちんと箱に戻し、残ったのはこの2体。
「…」
この2体を見た瞬間、リナには心の底から嫌な気持ちを、ゼロスには気合いっぱいの『嫌いっ!』の一言が飛んだ。
さすがにジラスでも予想はしていたし反応には大いに納得、ごもっとも。
ジラスも当初作る予定はなかったのだが、あの2人のだけ作らなかったらそれはそれで『呪われそう』で…作らざるを得なかったのだ。
だが、棄てたら棄てたで…これはかなり怖い。
(ホントに尻尾むしり取りにきたら、オレ…どうしよう…)
そんな妙な葛藤に苦しんでいると、
「ジラスさん」
「あ、姐さん…?」
「ソレ、ヴァルがいらないなら私にくれません?」
後ろから声をかけたフィリアは、ぬいぐるみを指さした。
「どうするんです姐さん?」
「コレですか?ヴァルがまた悪さした時使おうと思って」
「……」

にっこりと、それはそれは大層清々しい笑みを浮かべるフィリア。
「今度あの子が悪さしたら、ガウリイさんのぬいぐるみ取り上げて、代わりにこの2人を渡すんです。名案でしょ?」
「………姐さん…酷い」
容易に想像できるヴァルの号泣姿を思って、ジラスはホンキで呪いのぬいぐるみを作ってしまった事を後悔したとか。
【えんど】
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